空の青 風の緑 ーゆるりクリエイティブー

ゆるっと楽しめるエッセイをめざしてます。

【絵画】実際には存在しないもの ー輪郭線を描くことで生まれる難しさー

私たちは普段、現実にある情景(風景でも静物でも人物でも)を描こうと思うとき、まずは線で、表現したいものの形を表し、それから、その中を塗って、絵を描くことが多いと思います。

最初に描くその線は、輪郭線ということになるわけですが、よく考えると「輪郭」はあっても、現実には「輪郭線」は存在していません。そのことに気づかされたのは、受験のために通い始めた画塾で、石膏デッサンを描き始めた時のことでした。

私が習っていた先生は、独特な石膏デッサンの描き方を教える方で、まず全体の雰囲気をふわっと捉え、物と物との関係を考えながら、紙の中に石膏像を浮かび上がらせる、そういう描き方を指導されていました。

言葉で書いても、「?」となるのですが、実際、当時は本当にその感覚が分からず、「輪郭線を描かせてください!」と思いながら、紙に向かう日々でした。輪郭線を描けないので、背景と石膏像の境目が出せず、(木炭という素材に慣れていないこともあって)紙の中に亡霊のような、ぼんやりした形のない何かを描く日々でした。

石膏デッサンは、石膏像以外の背景を白のまま、何も描きこまないやり方もあるのですが(もしかしたら、そちらが主流かもしれませんが)私は、必ず背景を描くように、と言われていました。

先生は「実際の物に輪郭線はない。だから、物と物や背景との境目を探りながら描くんだよ」とおっしゃっていました。実際のところ、この難解な描き方を、いつマスターして描けるようになったかは覚えていないのですが、気づけば、輪郭線に頼らない石膏デッサンが描けるようになっていました。

また先生は「輪郭線を先に描いてしまうと、安心して、物を見なくなる。それに輪郭線がないと(ある段階までは)修正も簡単だよ(輪郭線を決めて描いてしまうと、ちょっと修正したくても、しっかり描いた輪郭線を消してずらさなくてはいけないので、修正がしにくいのです。)」ともおっしゃっていて、実際、輪郭線がないと、自分のデッサンが正確に描けているかどうか、どこに境目があるかを常に探しているので、形を決めつけてしまうことがなく、正確に物を捉えることにつながっていました。

輪郭線を描くと、その線を頼りに輪郭線の中を塗るというような感覚になってしまい、輪郭線が狂っていても気づくことができにくくなります。また、輪郭線の中と外、という区切りが紙の中に出来てしまって、輪郭線の中にばかり意識が向いて、輪郭線の外(背景など)は意識しなくなりがちです。実際には、常に物と背景は一緒に存在しているわけで、紙の中全てを意識しながら描くということが、大切なのだと教わりました。

もちろん、輪郭線を描くことが悪いわけではないのですが、物を正確にデッサンする技術が未熟な私にとっては、輪郭線は、とても扱いが難しいものなのだ、と、描き方をマスターしてから、理解できるようになりました。

何かを見て絵を描くときに、当たり前に描いている輪郭線の存在を疑ってみて、物をよく見る、ということをしてみると、ちょっと今までと違う絵が描けるかもしれません。

 

今回は、イラストです。

途中まで人物を描いて放置していたのを見つけたので(多分2〜3週間前に描いた気がします)、ドレスを描いて、背景に植物っぽい模様を入れました。

ドレスは、やっぱりバッスルスタイルが好きです。参考にした本はドレスしか写真がなかったので、髪型とか小物が合っているか分かりませんが…。手袋とかが必要な気もしたのですが、手首までだと短いような、でも肘までだと長すぎるような、と悩み、結局何もつけてない風にしました。

背景の模様は、思いのほか具象的な感じになったのですが、もうちょっと抽象的な模様っぽくても良かったかなという気がしています。

イラスト(下書き)

イラスト(下書き)

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