世界の昔話が好きです、と時々ブログで書いているのですが、小学生から高校生ぐらいまで、いわゆる児童文学作品を日本のものも、海外のものも、結構読み漁っていました。
というより、よく考えると、海外の作品も含めて、実は大人向けの物語はそれほど読んだことがありませんでした…。なので、学生時代に読んだ児童文学作品と、唯一大人向けで大量に読んでいたアガサ・クリスティーが、私の文章の基礎になっています。
海外の作品は、わりとイギリスのものを比較的多く読んでいました(別に選んでいたわけではないのですが、好みのものがイギリスが舞台のものが多かったので)。そして、当時、「この表現って馴染みがないなあ?」と思うことがあって、最近になって、気になっていたその表現を調べてみました。
(ちなみに、私が読んでいたのは、もちろん日本語に訳されたもので、直訳して伝わらないような文章は、意訳されていました。また、文化の違いで理解できないような部分は、注釈がついていたので、それほど違和感を感じる部分が多かったわけではありません。)
それは(確かアガサ・クリスティ―だったと思うのですが)「クリームをこっそりなめた猫のような顔をしていた」という表現です。細かい部分は忘れたのですが、あまり良い意味で使われてはいなくて、悪いことをして、それで満足感を得て、にやりとしている、そういう人の表情を表す言葉だったと思います。
読んだとき、ニュアンスは伝わるし、どういう表情かもなんとなく理解できたのですが、でも、あんまり馴染みがない表現だなあ、と思って、ずっと引っかかっていました。
それで、「クリーム 猫 なめる 英語」という言葉で調べたところ、英語の表現で「Like the cat that got the cream」というものがあることを知りました。直訳だと「クリームを手に入れた猫のような」ということになりますが、意味としては「(欲しい物を手に入れて)満足気な様子」を指すのだそうです(「got」は「stole(盗む)」でも良いとか)。単に満足気、ではなくて、これみよがしな感じで「してやったり」というニュアンスもそこに込められているようです。
あるいは、自分が満足するために、傍若無人にふるまう人を指すこともあるとかで、いずれにしても、あまり良い言葉ではないとのことでした。
ちなみに、この言葉はイギリスの言い回しで、アメリカだと「Like the cat that got(ate/swallowed) the canary(カナリアを得た(食べた/飲み込んだ)猫のように)」となるそうです。ですが、アメリカの言い回しでは、イギリスようなニュアンスではなくて、「悪いことをしたことがバレて、バツの悪い顔」を指すらしいので、また全然意味が変わってくるようです。
話がちょっとそれたのですが、「クリームをなめた猫」の英語の慣用句表現を知って、なるほど、と思いました。文化として、クリームが身近にあって、しかもそれは、人間も大好きな高価なもので、それをこっそり舐めた猫を見つけた人間の苛立つ様子、という、遠いイギリスの昔の風景が、ありありと頭に浮かぶ気がしました。
特にイギリスは、アフタヌーンティーとして、お茶とお菓子で過ごす時間を大事にする文化なので、それを彩るはずのクリームを舐められた、となると、苛立ちもなおさらだったかもしれません。
アメリカのように「カナリア」だったり、あるいは日本なら「魚」になると思うのですが、それだとこっそり、痕跡なく食べてしまうのは難しいので、クリーム、というところがポイントだな、と思います。
私は猫を飼ったことがないので知識がなかったのですが、猫はクリームが好きらしい、というのを、今回の言葉を調べているときに知りました。
最初「クリームをなめた猫 英語」という言葉で検索したのですが、そうすると、おうちで飼っている猫がヨーグルトや生クリームなどを欲しがったり、こっそりなめてしまった、というような、検索結果がたくさん出てきて、はじめて「猫ってクリームが好きなんだ」と、知ったのです。
ただ、今でこそ、日本でもクリームという存在は身近になっていますが、それは、おそらくここ数十年(?)くらいの話で、「猫がクリームをなめる」という言葉を聞いても、日本人にとっては、言葉どおりの意味にしか受け入れられないと思います。
それを踏まえて、改めて最初のアガサ・クリスティー「クリームをこっそりなめた猫のような顔をしていた」という表現を考えると、やはり「猫」と「クリーム」が密接に結びついた生活だったのだな、と感じます。
慣用句は、身近な生活の文化と結びついたものが多く、それが生まれた背景や文化を知ると、とても面白いなあ、といつも感じます。
ある言葉が持つ裏の意味が誕生する文化的背景に思いを馳せると、遠い土地の誰かの生活が何だか少し身近に感じられるような、そんな感覚になるときがあります。他にも、こんな感じで、物語の中で、ちょっと気になっている馴染みのない表現や文化があるので、また調べてみたいと思っています。
さて、曼荼羅アートは、鉛筆の下描きの状態です。鉛筆の下描き途中でペンを入れることが多いのですが、珍しく下描きをきちんと完成させたので、載せてみます。
今回は、ちょっといつもと趣向を変えて(?)、テーマを最初から決めて描いてみました。
テーマは「medicine」です。何故か英語ですが、「薬」というより「medicine」のほうが何故かしっくり来るので、英語にしときます。
何となく形状から、表現しようとしたものが分かる部分と、ちょっとイメージを抽象化したものとが混ざっているので、統一感にかける気もしますが、今までとは違う感じになったので、これはこれで面白いかな、と思っています。
イメージも、薬そのものから、入れ物、原料と適当な感じで連想しているので、多分見た方には伝わらないかもしれません…。
ちなみに、「medicine」を調べたら「外用薬以外の薬、内服薬」とあったので、本当は飲み薬しか「medicine」と言えないようなのですが、ネタ切れだったので、外用薬のイメージも混ざっています。

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